No.51 採録・撮影者◎川崎ぶら 被写YN◎ケチャップ
楳図かずお[わたしは真悟]
スピリッツ1983年3月30日号掲載分より、まりんの問いかけ。

 マイペースな性格で学校でも多少浮いている小学生さとる。彼の父親が勤める工場に工業用ロボットが導入されることになり、さとるの通う学校だけでなく、近隣の小学校はこぞって見学会を催した。そこで偶然知り合った他の学校の美少女・まりんにさとるは惹かれる。やがてロボットのコンピュータにコンソールからプログラムを打ち込むことをおぼえたさとるは、大人の目を盗んではまりんと 二人で工場に入り込み、ロボットに「教育」を施す。このことはなかなか大人たちには気づかれなかったが、二人の奇妙な親密さは周囲から怪訝に思われ始める。そんな時、まりんの両親は一家で海外へ引っ越すことを決め、まりんには外出を禁じ、さとるとまりんは会うことができなくなってしまった。
 一家の旅立ちの当日、まりんは空港から逃亡、行方不明になる。
 一方、まりんから引き離されて「失恋してしまった」と落胆していたさとるは、まりんの伝言として数値だけが並んだメモを受け取る。さとるは警戒が厳重になっていた工場に何とか忍び込んで、メモに記された数字の羅列を打ち込んでゆく。すると、画面にはまりんからのプロポーズ、そしてこんな質問が表示される……。

 まりんの問いかけに迷わず「Y」を入力すると「アリガトウ サトルクン」と表示された後、まりんが隠れている場所が明かされましたといいます。
 豪雨の降り続く公園で再会したまりんは、大人に見つかったら二度と会えなくされてしまう、と絶望に涙し、読者もその場面でみな泣いたといいます。
 思考するようになった工業ロボット。その「両親」は人間の子供二人。本作は現在においても類を見ない、美しい物語になったといいます。
   
[わたしは真悟]
文庫版単行本では
第3集に所収。
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